2013年03月26日

Dreamchaser

Sarah Brightman - Dreamchaser [Japanese Edition] (2013)


サラ・ブライトマンの歌の魅力は、言葉の響きの心地良い美しさではないでしょうか。ネイティヴの人が聞いてどうなのか、そこは把握出来ませんが言霊的引力は感じられるものではないでしょうか。
1月16日リリースのサラ・ブライトマンのニューアルバム。日本発売が先行で、輸入盤は4月。聴いたのは先行発売された日本盤だから、輸入盤との聞き比べも必要に感じました。
Dreamchaser


音質は良くないです。注意書きにも「一部マスターテープに起因するノイズがあります」ので目溢しをとある。古いレコードの復刻なのかな。又、「制作意図により再生装置によってはトラックの頭が欠ける」とある。日本盤のみなのか、ボーナストラックにアニメの曲。あまり良い出来ではない。社交辞令のようなものだろう。何を歌っているのかわからない日本語でした。メロディーも単調なミニマリズムでムズムズとした印象。サラ・ブライトマンの魅力を損ねているのが残念。この歌をうたう時に、意味に共感はされてこのアルバムに加えられたのでしょうけれども、発生的には段取りがどうだったのか、それとも本来この曲のメロディーと歌詞が単なるはめ込みに過ぎなかったのかもしれないね。

オリジナル曲の新曲に合わせてアルバム全体のイメージを統一させるケースはよくあるが、カバー曲である「ヴィーナス・アンド・マース」を意識して最初の曲から、ポール・マッカートニーの楽曲フレーズ、ビートルズがよく使っていたインド楽器のリフがあちこちにあるのは全曲がそれにインスピレーションされているようで面白い。その意味は、ライナーノーツにあるサラ・ブライトマンのインタビューからの抜粋でわかる。このCDは、買ってライナーノーツを読むことに価値がある。キーワードは1969年だ。サラ・ブライトマンの来日は7月、コンサートのコンセプトはその辺りにあるのだろう。何分今年はヨーロ・ロックの記念の年だ。

宇宙をコンセプトにしているだけあって静謐感のある全体的に美しい曲調になってはいるが、音作りに抑揚がない。しかし、そのあたりの意図することはライナーノーツを読まれたし。サラは、宇宙旅行という計画も立てており、宇宙からこのアルバム曲を披露するということは、きっと素晴らしいものになるのだと、私は確信しています。だから常々のスタイルを壊しているのでしょう。人間味を感じさせるデュエット曲がないのも理由だろう。サラ・ブライトマンの声だけで作ったコーラス、幾重にも音が重なっていることで抑揚がないのは要因はそこにあるだろう。それはCDとしての限界であり、この重なった音がそれぞれ宇宙空間に展開されればステレオがどうとか、サラウンドがどうとか、音像がサウンドステージがどうとかって次元で語れない幻想的経験ができるだろう。
それこそ第一曲のタイトル「星空のエンジェル」だ。この曲はテレビ東京の宇宙プロジェクトテーマ曲になっている。

このアルバムはクロスオーバー・クラシカルとしてクラシック売り場に並ぶ。多くのCDショップでジャズとクラシックが隣り合わせで並ぶのはどういうわけか考えるいい機会となった。サラ・ブライトマンのアルバムにかぎらず、ロックとクラシックのほうが、ジャズとクラシックよりも親しいものだと思うんだけど、間違っているかしら。
楽曲中では妖艶なリムスキー=コルサコフの曲が興味津々。それとグレツキのシンフォニーからのアレンジ。マーラーが今のように定位置にあるようになったきっかけは1980年頃のグレツキの異常な大ヒットがある。全曲は途切れることなくつながっています。

[収録内容]
01. 星空のエンジェル / ANGEL
02. ワン・デイ・ライク・ディス / ONE DAY LIKE THIS
03. グロウソウリ / GLOSOLI
04. レント・エ・ラルゴ ~グレツキ:交響曲第3番 作品36(悲歌のシンフォニー)より / LENTO E LARGO FROM SYMPHONY NO.3., OP.36 (SYMPHONY OF SORROWFUL SONGS)
05. B 612
06. ブリーズ・ミー / BREATHE ME
07. アヴェ・マリア / AVE MARIA
08. エパドゥ / EPERDU
09. インドの歌 ~リムスキー=コルサコフ:歌劇「サトコ」より / A SONG OF INDIA
10. ヴィーナス・アンド・マース / VENUS AND MARS

日本盤ボーナス・トラック:
11. 風のとおり道 / KAZE NO TORIMICHI (作詞:宮崎 駿/作曲:久石 讓)

Label: EMI Music Japan
Catalog#: TOCP-71500
Genre: Classical Crossover, Operatic Pop
Released Date: 2013.1.16
Format: CD
Timing: 57:08

CD: http://amzn.to/10Cdqo6
MP3 Download: http://amzn.to/X88Ayt



Posted by アマデウスレコード at 03:30│Comments(0)ポップス
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